Digital Publishing Suiteエージェンシー版?
- 単体書籍なら月額60万円で作り放題、アドビが電子出版向けソリューションを7月に国内発売(itpro)
- 電子出版の実績を強調するアドビ--紙とデジタルを同時発行する事例も(cnet japan)
- 山と渓谷社、女性向けアウトドア誌デジタル版をAdobeの電子出版ツールで制作(INTERNET WATCH)
「Hutte」のデジタル化は事例として紹介されていましたが、雑誌と同時発行ということのようです。記事を読んでわかることとしては、
- 企画段階でデジタル版を想定して、それを見据えた取材方法、企画立案が必須となる
- 紙媒体用のInDesignデータを元にできるとはいえ、パノラマ画像やムービーなどは取材の際にちゃんとデジタル版を想定して準備しておく必要がある
- 大日本印刷はすでに制作体制を整えている
というあたりでしょうか。想像するだけでも通常の雑誌発行に比較して、編集者、デザイナー、オペレーターなど全員の仕事が必要以上に増えてるんじゃないかと心配です。今回は季刊ですが、これ月刊誌とかではワークフローをうまく構築しないとたいへんそうです。雑誌版のデータを印刷会社に入校した後、休む間もなくデジタル版の制作に追われるとか想像したくない…。そのうえiPad、GalaxyTabなど画面サイズの異なる素材をそれぞれ作るとかなった日にゃ…。
APDSに関して
同記事でのAPDSに関して既報も含めて列挙すると、
- サービス提供開始は7月下旬
- Professional版とEnterprise版の提供が予定
- プラットフォーム利用費は年間60万円(月5万円)
- 発行できる媒体数・アプリケーション数に制限はなく、サポート料と年間5000ダウンロード分のサービス費を含む
- 超えた分については、年間契約でダウンロード数に応じたダウンロードパッケージを購入
- 2万5000ダウンロードまでが62万5000円、2万5000ダウンロードまで425万円、50万ダウンロードまでが700万円
- 電子書籍を単体アプリとして作成し、マーケットプレイスなどを通じて独自に販売する場合にはサービス費はかからない
- 直接販売せず、代理店経由で販売
- Enterprise版は、出版社の自社運営やサードパーティのサイトが利用できるようにカスタマイズできる。すでに自社コンテンツの販売サイトなどを自社で運営しているような大手出版社向け
- 大部数発行時のディスカウント、自社運営サイトでの決済を利用するためのAPI提供などはEnterprise版のみの機能
- Adobe SiteCDatalystとの統合はProfessional版でもサポート
- 契約者が第三者の制作工程を請け負い、サービスを代行する形態のエージェンシー版の提供を検討中。広告代理店や印刷会社などの利用を想定
ということろでしょうか。Adobeのサーバ経由ではないダウンロードには料金が発生しない(5000ダウンロード分はもともと年間60万の中に含まれていますが)ということは単体アプリ形式に関しては個別費用はかからないということのようです。ProBridgeとかがいくらするのか知りませんが、これくらいかかるのでしょうか?
詳細は未定ながら、エージェンシー版というものもでるようです。Professional版との差が不明なので何とも言えませんが、もともとProfessional版も出版社が用意するのか制作会社が用意するのか今ひとつ不明だったりするので、さらに混乱しそうな気もします。大日本印刷はどれなんだろう? 制作フローのスライド見る限りは、出版社が契約していればここの制作会社やデザイナーはアカウントがなくても制作作業はできるようですが…。
前回も書きましたが、個人的にはEPUBのほうが導入コストが低いので、そちらに関心が移ってきているのですが、まあもう少し注目していくことにします。なんていいながらFolio Producer toolsもまだインストールしていないのですが。